CONTRACTS
契約書レビューを依頼するとき、先に揃えておきたいこと
契約書レビューを依頼するときは、最新版の契約書に、取引の背景と締結までの期限を添えて伝えます。見積書・仕様書などの関連資料も揃えると、条文と実際の取引を照らし合わせて検討できます。
相談前に揃える資料と情報
契約書案に加え、見積書・仕様書などの関連資料、取引の流れ、交渉の経過、回答・締結の期限を共有します。資料が不足している場合も、何が未確認かと、迫っている期限を先に伝えてください。
契約書だけでは分からない、取引の前提
取引先から契約書案が届いたとき、まず条文を読んで不利な表現を探したくなるかもしれません。ただ、同じ条項でも、取引の目的や進め方によって重要性が変わります。
例えば、業務の完了を相手方が確認してから代金を受け取る契約では、何をもって完了とするのか、いつまでに確認してもらうのかが曖昧だと、支払時期の見通しを立てにくくなります。こうした点を検討するには、契約書と一緒に実際の業務の流れを伝えることが役立ちます。
1.最新版と、契約の一部になる資料を揃える
最初に、確認してほしい版を一つに絞ります。可能であれば編集可能なデータを用意し、修正履歴がある場合は、その経緯が分かる資料も添えます。
「別途協議する」「仕様書のとおり」と書かれている箇所があれば、参照先を確認してください。見積書、仕様書、発注書、利用規約、別紙などが、契約書本文と異なる条件になっていないかを照らし合わせる必要があります。
2.取引の流れを、短く説明する
誰が、誰に、何を提供するのか。納品・検収・請求・支払は、どの順に進むのか。この流れを数行にまとめるだけでも、検討の出発点が明確になります。
自社が特に心配していることも添えましょう。納期の変更が多い、相手方から提供されるデータに依存する、再委託が必要になるなど、実務上の事情が修正案を考える材料になります。
3.譲れない条件と、まだ交渉できる条件を分ける
支払時期、責任の上限、権利の帰属など、会社として重視する条件を整理します。すでに合意している条件と、交渉の余地がある条件も分けて伝えてください。
口頭で約束した内容がある場合は、その点も共有します。契約書に書かれていない前提が残っていると、法的な検討と営業担当者の理解が食い違うことがあります。
4.「いつまでに、何が必要か」を伝える
締結予定日だけでなく、社内決裁や取引先への回答期限も知らせます。修正案が必要なのか、重大な問題の有無を先に把握したいのかによって、進め方を相談できます。
期限が短い場合は、書類の分量と資料の有無も最初に伝えてください。希望する期限に対応できるかは、内容を確認して判断する必要があります。
相談時のメモは、この五点から
以下は、ウェブサイト制作を委託する会社を想定した、説明用の架空の記入例です。実際の相談事例ではありません。
| メモの項目 | 記入例 |
|---|---|
| 取引の目的と流れ | 会社案内サイトの制作を委託する。仕様の合意、制作、確認、納品、請求の順に進む予定。 |
| 最新版と関連資料 | 契約書案の最新版、見積書、仕様書、修正履歴を用意。仕様書の一部はまだ未確定。 |
| 気になっている条件 | 修正回数の上限と、仕様変更があった場合の追加料金が明確でない。 |
| 交渉と合意事項 | 納品予定日はメールで合意済み。追加料金の条件は未合意。メールも保存している。 |
| 社内外の期限 | 相手方への回答は10月8日、社内決裁は10月6日を予定。回答前に確認が必要。 |
資料を完璧に揃えるために相談を先送りする必要はありません。まず分かっていることと、まだ分からないことを分けて共有する。それが、契約の検討を進める第一歩になります。
本記事は、契約書の確認を依頼する際の一般的な準備を整理したものです。個別の契約の適否は、条項と具体的な事情に応じて検討する必要があります。
契約書の確認が継続して生じる場合は、「中小企業に顧問弁護士は必要?相談を始めるタイミングと準備」もあわせてご覧ください。
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